人に対する適正な期待値を持つことが、感情のケアにはとても重要になります。
人は一貫しないもの
心には、さまざまな感情が同時にわきあがる。善意も、悪意も、当たり前に同居する。感情は時と場合によってころころ変わる。嘘もつく。裏切ることだってある。特にエネルギー、感情、自信、記憶、個人のストレス対処の癖の影響を受ける
感情や欲求はなくせない
感情や欲求は、人間の基本的な機能として備わっている。複数の感情や欲求が対立する(葛藤)のが通常。一時的に抑える(我慢する)ことはできても、ゼロにはできない。なかったことにしたり、ケアをしないでいると、ずっとくすぶり続ける(対処の癖)。
人はエネルギーを使いたくない(怠けたい)もの
エネルギーは、人にとって生命を支える貴重なもの。だから、生死に関わらない、と判断された作業は飽きるようにできていて、続かない。何かをやるからには、「意味」や「意義」が必要。意味を見いだせず、理不尽と感じる我慢には、限界がある。
人は成長したいが、なかなか変わらない、成長しない
成長したいというのは基本的欲求。でも言われたからといって、反省したり納得したからといって、人はすぐには変われないし、成長もできない。大人になったら人は「立派」になるのかというと、そうでもない。というの変わりたくないのも基本欲求だから
でも、人は変われるし、変わりたい
人は、新奇なものを求める。すぐに退屈になり、新しいものを欲しがる。なかなか変化しない時でも、「理屈」よりも「体験」をきっかけにして変わりやすい。体験を繰り返したり、長く経験したり、イメージの力で変わることもある。
人間関係のトラブルは当たり前に起こる
人にとって他者は、自分を攻撃する可能性がある存在。だから、人を恐れる気持ちは誰もが持っている。人と人が出会えばトラブルが発生する。かといって、孤独では生きていけない。
人はそれぞれ、正義もそれぞれ
人にはそれぞれ感情を刺激される「ツボ」や「急所」がある。そのツボは人によって違い、自分と同じでもない。特に、何を正義と感じるかは、普遍的なものではなく、人それぞれである。
自分を基準に他者の内面を決めつけがち(特に日本人)
相手が自分と違う感じ方をするという前提が鍛えられていない。その視点で見るので、つい被害者的視点が多くなりがち。多様性を心の底では認めていない。頭のいい人ほど人間を知らない
人は他人をコントロールしたがる
人は人を恐れる。その一方で、人は人がいないと生きていけない。自分の安全とエネルギーの消耗を避けるために、他者を従わせたい。他者を従わせたいために、わがままになったり、人より優位な立場に立ちたくなる。
人の言動、反応にはそれなりの理由がある
それぞれの人の感ケア5、特に経験したことや記憶がベースとなって、現在の発言やリアクションがある。ただ本人もそのことを自覚していないこともある。本人は「物語」として理解
人は物語を見つけ、安心したい
人は、現状を理解し、不安を小さくするために、いろんな解釈をしようとする。その解釈、すなわち物語は、必ずしも客観的でなくても、万人が納得しなくても、その人にとっての安心や意欲につながるものとなる。物語を持てるかどうかで、安心(自信)が決まる。
子どもの心の強さを求めがち(特に日本人)
一人でやる、全部やる、最後までやる、あきらめない系の思い込みが強い。途中で投げ出したり援助を求めることを嫌がる。我慢強いが、自分の感性や欲求を押し殺すので、「正解」は自分の中ではなく外(部外や権威や海外)にあると感じている。頑張ること、あきらめないこと、勝ことで自信を補強
論理的・客観的でありたい(特に日本人)
感情的なことが恥ずかしいと感じやすい。論理的なこと、客観的なことを重視し、感覚的なこと、スピリチャルなことを軽視しやすい。その結果、数字に騙されやすい。
人は自分を責めやすく、自信をもちにくい(特に日本人)
人は、自分には悪いところがたくさんあり、それを他人に隠している、と感じやすい。他者を攻撃するのが怖く、主張もしたくない。目立ちたくない。目立つと出る杭は打たれ、攻撃されそうに感じるから。
人は過去の記憶と将来の不安にとらわれやすい(特に日本人)
不安に備える過程で安心したい。不安が強くなると、優先順位が狂う。不安は集団の影響を受ける