うつのリハビリ期の感ケア

最近また一つ、感ケアの効果を実感した事例があります。

Aさんは、長年のうつ気分に悩んでいました。私とのカウンセリングでエネルギーを重視してうつのリハビリを順調に進め、疲労の第1段階まで回復したので、感ケアなどのトレーニングを解禁していたのです。

うつのリハビリ期では、本人はすぐにでも何らかのメンタルトレーニングを始めたがるのですが、疲労の2段階までにこれをやると、効果より副作用の方を感じる方が多いようです。というのも、疲労の2段階は、基本的には思考もまだネガティブですし、何をするにも元気な時より2倍のエネルギーを使います。感ケアのトレーニングをしても、あまりポジティブな発想が生まれないだけじゃなく、疲れも大きくなる。しかも他の人はうまくできているとなると、自信も失う。感ケアだけでなく、思考のトレーニング系は、この段階では総合的にはマイナスになりがちなのです。

Aさんは、しっかり1段階に上がってから感ケアを行いました。うつのリハビリにおいて、1段階で取り組むべき課題は、うつの時にため込んだネガティブ記憶への慣れと自信の回復です。

Aさんにはスキルアップ講座で実施したフォーカシングが、ぴったり来たようです。当日はそれほどの実感はなかったのですが、その日以降、これまで悩んでいた頭の中のもやもやが、雲が晴れるように劇的に解消されたのです。十数年間感じていた疲労感も消えました。封印していた記憶や思いに対し、感ケアのスキルでタイミングよく上手に「触れた」結果、記憶への慣れが生じたのです。そしてそれがAさんにとって大きな自信にもなったのです。

 

皆さんも、感ケアスキルをぜひ体験し、使いこなしてください。3月の平日コースは、いっぱいになったとの連絡をもらいました。4月の平日コースは、まだ空きがあります。申し込みはお早めに。