うつからの回復の最終段階で、「だいぶ良くなったのですが、興味ややる気が出ないのです」と悩む人は多いものです。
やる気には、2つの要素が関係してきます。一つはエネルギーレベル。
うつはエネルギー枯渇状態なので、基本やる気は出ない。次第にエネルギーが回復してくると、エネルギーを出させないブレーキは解除されてきます。だからもしあなたがやる気が出ないと悩むなら、まずやるべきは、睡眠をとることです。ところが、それだけで興味とかやる気、つまり精神的なスピードが出てこない場合もあります。うつの最終段階がそうです。
やる気のもう一つの要素は、「対象(理由)」です。
エネルギーを出すアクセルが踏まれるためには、それなりの理由が必要です。本当に必要なら、たとえエネルギーが枯渇しそうなときでも、アクセルは踏まれます。うつの人が震災の時に活動できるのもこのためです。ところが、うつのリハビリ期は、あえて厳しい環境を避けているわけですから、緊急性も重要性もない日常が続いているのです。それならやる気が出ないのが当たり前なのです。
そんなうつの最後の過程では、少し勇気を出して活動をしてみます。活動すると、興味とやる気が刺激されます。そしてアクセルを少し踏んでみて、「それでも大丈夫だ」と感じる体験を積み重ねていくと、それが本当のうつからの完全脱出になっていくのです。
でも、多くの人はアクセルを踏むのが早すぎるので、いつ活動を始めるかは、うつについてよく知っているカウンセラーのアドバイスを受けてくださいね。