失敗を笑われる、ということ

なにか失敗した時、笑われるととてもショックです。それがトラウマになることも。

私は、これまで「蔑まれたり、笑われたりすることは、グループから否定されることなので、原始人的に『生きていけない』に通じるとてもつらい体験」と説明していました。

ですから私たちは、失敗した人を見ても笑わないようにしています。

ところが、違う見方もできると気が付いたのです。

狩猟採取民族を観察していると、大人は子供にあまり教えず試行錯誤をさせるそうです。当然失敗も多くなるのですが、失敗したら笑ってあげる、らしいのです。

確かに…。本当に生死が関わる場面で失敗したら、周囲は、厳しく非難、あるいは怒るはずです。戦場ではそういう場面が頻繁に生起します。そんな時はとても笑ってなんていられない。

笑っていられるのは、「失敗しても大丈夫」というレベルであるということを、知らせてくれているとも考えられます。

誰かが失敗した時、あっけらかんとした「笑い」によって、気分を変えてあげるという手段も「あり」だと思うのです。もちろん、どう受け取るかは本人次第なので、よく観察してフォローは変えなければなりません。現代人の攻撃的な笑いによって、人の心が深く傷つくことがあるという現実は忘れてはいけません。