感情の海の中で思考が果たす役割(1)

小舟をこいで進むとき、思考は、方向性を維持するカメラと舵の様なもの。穏やかな海や湖では、これだけで十分です。目先の障害物を避けることもできますし、先も読めます。

一方、感情は、海の潮流。バイアスとパワーがあります。

私たちが感情的になると、潮の流れに強く影響された舟のようになります。舵を切っても、必死にオールを漕いでも、ちっとも目標が近づかないことに翻弄されます。怒涛の感情の中にいる人は船首方向しか見ていないので、自分が45度の角度に流されていて、目標からどんどん離れていることにも気が付かない場合さえあります。

いくら頭が良くて、上等のカメラや舵を持っていて、勤勉に努力するタイプでも、その海の特徴を知らなければうまく船を操作できないのです。

感情のケアでお伝えしているのは、海の特徴。潮の流れの特徴です。

それを知っておけば、思考を更にうまく使えます。思考には4つの働きがあります。その4つについての解説は、次回以降に。