大阪なおみのコーチに見る一流の指導

大阪なおみさんが、全米オープン優勝した。グランドスラム3勝目。

人種差別に抗議するマスクが話題になったが、プレーが素晴らしかったのは言うまでもない。特に、試合運びが進化したのは素人目にもわかる。その成長にかかわったのがフィセッテコーチ。実は、優勝戦の対戦相手であったアザレンカのコーチでもあった。フィセッテは、データ分析を得意とする。

アザレンカには、すべてのデータと分析を伝えたそうだ。それを彼女はうまく活用した。ところが、大阪なおみには、すべてを伝えず重要な3つぐらいのポイントを漠然と伝えるだけらしい。大阪に全部伝えると、逆に彼女本来の自由なイマジネーションや勘を妨げるという。

すごいと思った。

私たちは、どうしても自分が知っていること、自分が大切と思うところを、そのまま伝えたくなる。それをぐっとこらえ、冷静に相手の中に入れる情報をコントロールする。一流の指導者とはそういうものなのだろう。