「大人の心の学習法」(2)

成長の遅い人:すぐに成果が出ないとあきらめてしまう

今秋から、新しいことを覚える難しさを「大人の心の学習法」と題して、2週間に一度のペースで10回ほどアップします。最初のテーマは、大人の学習法を身につけにくい人の特徴。

大人の学習法を身に着けにくい人は、「すぐに成果が出ない努力」を続けることができない、違う言い方をすると、成果が出ないとすぐに止めてしまう人が多いようです。

生き方スキルには、一つの正解はない。状況に応じて様々なパターンを経験し、今の状況に適応できそうなものを当てはめ、さらにそれを微修正していくことが必要です。一応の最適解に至るまでに、かなりの時間がかかるのが普通なのです。しかも、最適解にたどり着いても、自分の感性や体調が変われば、また変化させなければならない。

現実には、努力をしてもがすぐに成果に現れないということです。むしろ、努力しても成果が一時的に落ちてしまうことがよくあります。スポーツなどで新しいスキルを身に着けるときによく見られる現象ですね。

一方で、学校の勉強のできる出来ないは、覚えているかそうでないかで、デジタルに決まることが多い。覚えている、知っていることなら、完璧な答えが出せますが、そうでなければ答えは出ない。努力が成果に直結するタイプの学習です。

その学習体験に慣れてしまうと、努力しても成果を感じられない課題には、じっくりと取り組むことができなくなるのです。

大人の心のトレーニングをしていても、あと少し頑張れば、何らかの変化を自覚できるのに…というところで、止めてしまう方がいるのです。そんな方の多くが学校や社会では優秀な方だけに、余計にもったいなく思います。

自己啓発本などを読んで「よし、これをやって人生を変えよう」と思っても、なかなか続けられない。ダイエット情報を見るたび、始めはするのだが、継続できない。そんな悩みを持つ人は、「この努力、意味がないな…」と感じた時点が大切。そこで「あと一歩続けてみる」ことを意識してみましょう。思わぬ成果を感じられることがありますよ。