自分へのダメ出しをどう減らしていくか

私のストレス解消法は、テニス。暇さえあれば、近所の公園に壁打ちに出かけます。そこには私と同じようなボール好きのじいさんが大勢いて、夏場など、朝の6時から、16面ある壁打ち場がいっぱいのことも…。

いろんな人がいます。元プロの人、もくもくと同じフォームでの練習を繰り返す人、教え魔、一人ゲームで盛り上がる人…。その中でも特に高齢で、毎日テニスコートに現れる、ダンディなおじいさんがいらっしゃいます。みんなから親しまれており、私もよく話をするのですが、一つだけ気になることがあるのです。

それは、私がひと汗かいて帰ろうとするときのあいさつ。その方はにこやかに「ご苦労さんでした」と声をかけてくださるのです。

それ自体は、とてもありがたく良い印象なのですが、「ご苦労様」という言葉は、上司が部下に使うねぎらいの言葉(と、どこかで教わりました)。私は部下でもないし、別に仕事をしているわけでもない…どこか不自然な、正直に言えば、少しだけ嫌な気持ちがしてしまうのです。

そんな私に、私自身が「どちらでもいいじゃないか。そんな些細なことで、嫌な気持ちが沸くなんて、本当に小ちぇえ男だなぁ、…」とダメ出しをするのです。むしろそのほうが残念。

自転車で帰りながら、感ケアの「7つの視点」をやってみます。自分目線、相手目線、第3者、上から、時間軸、ユーモアと来たのですが、全部「小さいこと」という結論。これでは、「いい歳して小さいことを気にしてしまうダメな男」という思考にはあまり効果がない。

ところが、感謝目線で考えているとき、そうか「ご苦労様」という言葉の正しい使い方を、忘れないように時々思い出させてくれるのだ。しかも、とっても嫌な感じで言われるとネガティブな気分になるが、そうでもなく、全体的には良い感じの中で、それとなく思い出させてくれる、とてもいいバランス!これはとてもありがたい。そう考えると、その出来事へのネガティブ感も、私自身へのダメ出しも、かなり小さくなったのです。

人は、特に日本人は自分にダメ出しをしやすい。感ケアのスキルを使って、世の中は変えられないけれど、自分の心の中の風景は変えられます。自分の心の風景の中に、必ず自分自身も含まれる。ダメ出しをする機会が少しでも減れば、最近の陽気のように穏やかな日が過ごせますよね。

4月10日からの感情ケアプログラム入門講座、平日夜3回コースは、キャンセルが出たため、数名の余裕があります。感ケアの世界をのぞいてみたい方、復習したい方、どうぞお越しください。