地震の後の不安

昨日、30年6月18日、大阪で震度6弱の地震がありました。阪神淡路大震災を思い起こした方も多かったと思います。

私たちは、地震のような大きな心理的ストレスを受けると、体が原始人的な反応をします。いわゆる「惨事に対する反応」です。

日常的な生活の中での不安は、まず、何らかの情報があり、小さな不安の種が生じる。それを心の中で過去検索し、あるいはその視点で世の中を見る(現在検索する)うちに、またその不安を大きくする情報を見つけてしまう。こうして、どんどん不安が膨れ上がってしまうのが一般的です。

この場合、不安には、必ず原因があります。また、この不安拡大サイクルは、「考えないこと」「あえて見ないこと」で抑えることも可能です。(ただ、時折引きずることがあります。感情のケアプログラムでその対応を練習するのは、この“日常の不安”です。)

ところが、惨事反応の場合の不安は、まず大きなストレス(刺激)に対し、体が、「世の中が変化した。命の危険があるので、すべてに警戒しろ」という指令を出します。ですから、特に何かの問題がなくても、しばらくは「漠然とした不安」が続きます。また、考えないようにしても、ずっと考えてしまうし、過去の似たような経験も思い出されてしまう。日常の不安とは違い、全力で警戒しなければならないからです。

この原始的な不安は、特に原始人が猛獣を警戒しなければならなかった夜に大きくなる傾向があります。また、夜は寝ないで警戒しなければならなかった。だから、不眠がちにもなるのです。

惨事の後は、このような漠然とした不安や不眠が続いても、そんなに心配することはありません。あなたの体の原始人的部分が、この危機にしっかり対処してくれている証拠です。不安や不眠はつらいかもしれませんが、外界が落ち着くにつれて、必ず徐々に小さくなっていきます。

あなたが、異常になってしまったわけではないので、安心してください。