大阪なおみから何を学ぶか

全豪オープンの時の、大阪なおみの心の切り替え力が注目されています。

第1セットを取った勢いで第2セットも有利に進め、3ポイントのうち一回勝てばいいというところまで行った大阪。しかし結局そのチャンスをものにできず、そればかりかその後もゲームを失い、2セットは取られてしまった。勢いは完全に相手に移ったようでした。大阪は声を上げ、目には涙があふれていました。

そこで、大阪はトイレットブレークを取ります。

数分後、第3セットに臨む大阪の顔は、冷静な表情に戻っていました。そして好調な時と同じように攻撃的なテニスを復活させ、見事優勝したのです。

あのトイレットブレークで、大阪は「相手も世界のベスト選手、簡単に勝てると思った自分は傲慢だった。もっと相手をリスペクトしなければ」と思ったそうです。大阪らしい(日本人らしい)コメントです。

これを聞くと、動揺した時は、相手への尊敬の念を思い出し自分の傲慢さを反省することが大切だ…なんて、多くの人は思うでしょう。

 

でも、感ケア的には違います。一番効果があったのは、戦場から時間的にも距離的にも離れたことです。これで感情が落ち着きました。感情が落ち着くと視野が広がります。その時、どういう思考で前向きになれるかは、その人次第。「自分は誰より苦しい練習をしてきた」で自信を取り戻す人もいるし、「自分にはファンがついている」で力がみなぎってくる人もいる。

感ケアは、本人の心に最後に出てきた表面的、感動的な部分ではなく、「感情を落ち着けることができる手順」に注目します。感情を「下げ」それに「触れ」、そして「再考する」。

その時前向きになれた言葉(思考)は、神様からの贈り物。自分にピッタリくるギフトを受け取りやすくする手順が、感ケアなのです。